遺言のお話をさせていただくと、多くの場合「うちには遺言を書くほど財産はないよ。」、「うちは家族みんな仲が良いから遺言なんてなくてもちゃんとまるくおさまるから大丈夫だよ。」といったお答えが返ってきます。

　「遺言を書くなんて大げさな・・・。」というお気持ちの表れかと思いますが、遺言を書かれることは決して大げさなことではなく、あえてお固いことを言うならば、「財産を遺す方の、遺される方々への責務である」と思います。

　遺言がない場合、財産をどのように分けるかについて、遺された方々で遺産分割協議をしなくてはなりません。遺された財産には何があるのか確認するだけでも大変なところ、何の道標もないままに、だれが何を引き継ぐのか話し合いで決めることを託されるというのは、遺された方々からするとあまりに大変な労力を強いられることだと思うのです。

　再三お伝えしておりますように、財産の多い少ないでもめるわけではありません。多ければ多いなりに、少なければ少ないなりにもめごとは起こり得ますし、今は仲がよろしくても、いざとなるとみなさんご自身の権利を主張されるかもしれません。また、今まで我慢してきた想いが溢れだすこともあるかもしれません。

　ご理解いただきたいことは、もし遺された方々の中でそのようなもめごとが発生してしまったとしても、その時点ではご自身は仲裁をすることも、解決に導いてあげることもできないということです。

　お元気であるからこそできることがあると思います。もし本当にご家族のことを大切に想われるのであれば、遺言を書いておかれることは非常に意義あることだと思うのです。

　もしのことがあった場合、もめごとに発展する可能性が高いと思われるケースを次にまとめてみましたのでご参考にしていただければと思います。

→特に遺言の作成をお勧めするケース 

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