相続が発生した際、お手続きをしないままでいるとどんな不具合が生じるでしょうか? ここでは例として、代表的な預貯金・不動産のお手続きについて見てみましょう。

　まずは預貯金について。

　通常相続が発生した場合、銀行さんでその事実が確認されると、お亡くなりになられた方の預貯金は凍結され、入出金、あるいはお支払いの引き落とし等ができなくなります。

　そうしないと一部の方が勝手に預貯金を引き出してしまうなど、場合によっては他の方々とのトラブルのタネにもなりかねないからです。

　預貯金については預金通帳や証書等により確認がしやすいため、お手続きをし忘れるということは比較的少ないと思われますが、お早めにお手続きをされないと日常生活に支障をきたす場合もありえますのでご注意ください。

　また、何かの事情で作られた普段あまりご利用でない銀行さんのものだったりすると、その所在に気付かないというケースもありますので、うっかり見落としてしまうことのないようこちらもご確認の際はご注意いただければと思います。

　次に土地・建物といった不動産はどうでしょうか。

　こちらは預貯金と違って、お手続きされていないままの状態をお見かけすることがよくあります。

　お手続きのご依頼を受けて謄本等を確認してみますと、所有者がおじいちゃんのお名前のまま、あるいはひいおじいちゃんのお名前のままだったりします。

　おそらく相続登記というお手続きの必要性をご存じない、あるいは知っていても費用がかかること、そのままでも日常特に支障がないことなどから、あえてそのままにしておかれるということもあるのかもしれません。

　ですが、もし何かの事情できちんとしたお手続きが必要となった場合、時が経過していればしているほど、お手続きをするためにはたくさんの方のご了承が必要になります。

　ときにはご協力を得るのにとんだご苦労を要する、あるいは思わぬトラブルが発生するということもありえますので、お手続きはその都度きちんとされておかれることをお勧めします。

　これらはほんの一例ですが、多くのことに共通していえることは、お手続きはお早めにされることが一番簡潔であり、また、トラブルに発展することも回避しやすいということです。

　ご自身の段階でお手続きをされなければ、そのお手間はお子さんやお孫さんに持ち越されるだけで、ご面倒を先送りしているにすぎません。

　この記事を読んで「うちは大丈夫だろうか」と思われた方がいらっしゃいましたら、あらためて預金通帳や証書、謄本等をご確認されることをお勧めいたします。 そして、もしお手続きが必要な状況にあるようでしたら、是非お気軽にご相談ください。

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